イコライザーの続き、パラメトリックイコライザーについての考察です。
いまいち結論がでませんが・・・・・
パラメトリックイコライザーについて調べてみましたが、なかなか手ごわそうです。
検索してHPを巡回しみると、情報としては、まずミックスエンジニア等、音作りの方の解説がヒットします。あとは、オーディオ関係がありますが、比較的エンジニア関連のHPが分かり易いようです。
音作りの方法を私はイヤホンの補正と置きかえてみます。
グラフィックイコライザーとの違い
それに対して、パラメトリックイコライザーは、調整する周波数を自由に設定できるタイプのイコライザーです。
パラメトリックイコライザーのパラメーター
見慣れないパラメーターは、HighとLowのカットオフのQ、SlopeとMidのWidth、Octavesの設定項目です。
HiPass(LowCut)Filter→neutronのLow-Band,Cutoff
設定した周波数以下の音を激減させる為のフィルター。かなり急峻なカーブでカットする事が出来る。たとえば可聴限界以下の不要な周波数のカットなどに有効。
Qの値が小さいほど帯域が広く、数字が大きいほど帯域が狭い。これってQが小さいとカーブ(勾配)が緩くなるって意味でしょうか。
LowPass(HiCut)Filter→neutronのHigh-Band,Cutoff
設定した周波数以上の音を激減させる為のフィルター。かなり急峻なカーブでカットする事が出来る。
Qの値が小さいほど帯域が広く、数字が大きいほど帯域が狭い。
Mid1、Mid2
これについては、カットオフフィルターではなく、設定した周波数から、周辺どれくらいの幅を調整するか設定する。、ここでは、Width,Octavesとなっています。
オクターブとの表現なので、こちらは設定周波数より何オクターブの幅を持たせるのかとの意味でしょう。周波数とオクターブの関係は、1オクターブ高い場合は周波数は倍、1オクターブ低い場合は半分となります。
以上が色々調べてみた設定値の概要です。やはりこれは、理屈では理解してもなかなか難しいようで、グラフィックイコライザーのほうが視覚的に分かり易いですね。
初期値のはなし
Low-Band,Q,Slope 2.000
■Mid1-Band,Center Frequency, Hz 500Hz
Mid1-Band,Width,Octaves 1.000
■Mid2-Band,Center Frequency, Hz 3000Hz (3kHz)
Mid2-Band,Width,Octaves 1.000
■High-Band,Cutoff Frequency, Hz 6000Hz (6kHz)
High-Band,Q,Slope 1.775
前回と同じですが、neutronのイコライザーの初期値です。
【Low-Band Cuttoff】
設定周波数は250Hzです。これは周波数自体はかなり高い周波数と思います。設定値の根拠が意味不明です。ただしQの値は設定値が0~10の内2となっているのでかなり帯域を広く取って いるのでしょうか。
素人考えではもっと周波数を低くしてもよいような・・・・
ためしに40Hzに設定して、ゲインを変化させてみると、
変化がわかりません。
それとカットオフでゲインをブースとすると低音が強調されます。カットオフではないような・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
これは、設定値より下を制御すると考えたほうがよさそうです。
【Mid-1】 設定範囲: 200Hz~3000Hz
設定周波数は500Hzです。これは、ボーカルでは女性ボーカルの中心、男性ボーカルの声が高い人の中心です。それから1オクターブの範囲で補正する設定です。
前後に1オクターブの設定でしょうか? ・・・・・・・・よく分かっていません。
でもギター、ピアノ、サックス、トランペット等、ベースとシンバル系を除くほとんどの楽器の中心周波数です。
大きくゲインを変化させてみると、音が変になる為、中心となる楽器ほとんどに影響がでていると 思います。
【Mid-2】 設定範囲: 1000Hz~8000Hz
設定周波数3kHzでギター、ピアノの上限付近であとはシンバル等の範囲です。
ミッド2のゲインを最大にブースとしてみるとシンバルとギターの音、ボーカルも女性ボーカルにも
影響があるように思えます。
【High-Band Cutoff】
これはLow-Bandとちょうど反対の効果です。
シェルビングEQとピーキングEQ
いろいろと調べている内にシェルビングタイプとピーキングタイプといった2つのタイプがよく出てきます。(以下High Resolution Co.,Ltd. FAQより)
1.シェルビングタイプ
- シェルビングタイプの場合、設定された周波数を基準にそれより上、もしくは下の周波数帯域すべてをブースト/カットします。例えば、1kHzのローシェルビングEQで10dBのブーストを設定した場合、1kHzより上の周波数のサウンドは1kHzに近づくにつれて徐々にブーストされ、1kHzで10dBブーストされます。更にこの場合、1kHz以下の帯域もすべて10dBブーストされます。このタイプのイコライザーは、HiFiオーディオシステムのトーコントロールや、楽器などのトーコントロール/イコライザーとして一般的に採用されています。
2.ピーキングタイプ
- ピーキングタイプは、その名称からも想像できる通り、設定された周波数を中心(ピーク)にしてその付近の帯域をブースト/カットするタイプのイコライザーです。この場合例えば、ピーキングEQの中心周波数を1kHzに設定して、10dBのブーストをした場合、信号の帯域が1kHzに近づくのと比例して徐々にブースト量が増加し、1kHzをブースト量のピーク(この例の場合は10dB)とし、1kHzから離れると徐々にブースト量が減少します。通常このブーストする際の帯域の広さのことをバンド幅(もしくは“Q”)と呼びます。パラメトリックタイプとしてデザインされたイコライザーでは、この幅をコントロールすることが可能です。バンド幅の表記については、通常オクターブであらわします。このバンド幅のコントロールはすべてのEQに搭載されていませんが、他の帯域に干渉せずに必要な部分だけを調節することが可能なように設計されています。従いまして、例えばベースギターやスネアドラムのサウンドだけを持ち上げたり、下げたりすることが可能です。
非常に分かり易い説明です。これによるとneutronのイコライザーは、この2つのタイプを併せ持ったものと考えてよいのでしょうか。
実際のセッティング方法はどうする?
自分の思い通りの音にするためには、どういった方法を取ればよいのでしょうか。
まず大変参考になったのは「SAIDERA MASTERINGさんのHP」
「帯域の補正」
- まず音源をじっくり聴いてみましょう。低域、中域、高域の3つのパートに分けて聴くことがポイイントです。
- (1)〜250Hz (2)250Hz〜4kHz (3)4kHz〜だいたいこの辺りの周波数に注目してみてください。※低域と高域にはシェルビングEQ、中域はQの緩いパラメトリック・イコライザーを使用します。
- もし低域が多いかな、と思ったらシェルビングカーブで250Hz以下を少しカットしてください。
- 逆に低域に厚みが欲しいと思ったらブーストします。レベルは1dB以内でも十分効果がありますが、最初は大きめに動かし音の変化を確認して徐々に細かく調整してください。
- ロックなどでギターの厚みが欲しいときは250Hz〜4kHzをアップします。
- 中域(250Hz〜1kHz)→ボリューム感、中高域(1kHz〜4kHz)→高域の厚み。
- 音の芯が出るので周波数、Qの幅がポイントとなります。
- ハットやシンバルがが少しうるさいかな、と思ったら4kHz〜からシェルビングでカットします。
<ポイント>
- 低域と高域のシェルビングEQは周波数が中域よりになるほどヴォーカルなどに影響します。
- オケのニュアンスを変えたくない場合は例えば100Hz〜、10kHz〜など低め、高めの周波数にシェルビングEQのスタートポイントを設定してください。
これを見ると、「Low-Band,Cutoff Frequency, Hz」の周波数設定値の根拠が理解できます。
現在イヤホンは、CKM55とAURVANA IN AIR2の2本だけです。
CKM55はどちらかというとドンシャリで、ドラムのタイトな感じ、ギターの音は気に入っていますが、女性ボーカルが少しささりぎみです。neutronではイコライザーオフか低音を若干マイナス、3kHzを若干マイナスにしています。
AURVANA2はほぼフラットですが、どちらかというと思ったより低音は出ているが、若干子守気味で高音は不足気味なので、低音若干マイナス、3kHZを上げ目で試しています。
詳細設定画面でスライダーを動かしてなかなかうまく調整できなくイライラすることもありますが、
設定値長押しで数値の直接入力ができます。時間は掛かりますが、きちっと数値が決まらないといやな人は調整できます。
他に中心周波数を変化させることが可能なので、たとえばMid-2では1kHz~8kHzまで変化させることができるので、ゲインをかなり上げてから周波数を徐々に変化させることによって、気に入った音や反対に気に入らない音を探し出すことができる利点もあり、この方法で補正を掛けることも可能です。
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